犬の散歩ボランティアとは?お散歩ボラを3年続けている私が思うこと

最近、昔に比べて「保護犬」(飼い主のいない犬)が注目されるようになり、「人間の身勝手で翻弄された犬たちのために何かしたい!」と思う方が増えているのではないかと思います。

実は私もその一人です。

里親になれたら一番いいと思うのですが現実的にそれは難しく、それでも何かできることはないかと見つけたのが、保護施設にいる犬の散歩をするボランティアです。

ちなみに今始めてから3年ほど経ちました。

そこで今回は、犬のお散歩ボランティアをしたいと思っている方の参考になればと思い、実際のボランティア業務ボランティアをしていくうえで感じたこと、気を付けていることなどを紹介していきたいと思います。

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目次

実際の活動内容

私がボランティア活動をしているのは犬猫合わせて100匹近くいる保護施設です。私はだいたいお昼頃施設に到着し、3時間ほどお散歩のお手伝いをしています。

1匹ずつゲージや小屋に入っているので、首輪にリードをつけて1匹ずつ散歩に行きます。その時の他のボランティアさんの人数にもよりますが、だいたい1匹15分を目安にお散歩に出しています。

どんな子でもお散歩に行けるの?

施設にはたくさんの犬がいますが、みんなをお散歩に出せるわけではありません。

保護施設には人間に捨てられた子、悪質なブリーダーから保護した子、野良犬として捕獲された子、その野良犬が産んだ子犬など、さまざまな事情をかかえた犬たちがいます。

もともと人懐っこい子もいますが、人間を恐れて凶暴になっている子や、とても臆病な子もいるので、そういった子は基本的に常時いるスタッフが担当をしています。

私の通っている施設では、

  • 大人しくて凶暴性のない子を
  • 少し注意が必要な子を
  • 攻撃性がある子を

と色分けをしています。ボランティアを始めた人ははまず青の子のお散歩を担当し、頻繁に通える人は徐々に黒や赤の子も担当していくことになります。

お散歩中気を付けることは?

お散歩はみんな同じように歩かせればいいのではなく、その子にあったペース、環境でお散歩をしなければなりません。

例えば、体力のないシニア犬は沢山歩かせると疲れてしまいますので、その子のペースに合わせてゆっくりお散歩を楽しみます。外に出て匂いを嗅ぐだけでも気分転換になるので、天気のいい日は日向ぼっこをするのもいいでしょう。

逆に体力の有り余っている若い子はたくさん歩かせてあげたり、運動場があればそこでボール遊びをしたりするのもオススメです。

また、散歩に出すときの天気、気温にも気を配る必要があります。

真夏の昼間や冬の冷え込む時間帯などにシニア犬や体調の良くない子を散歩に出すと、逆にからだに負担をかけてしまうことになります。シニア犬や体調の良くない子はできるだけ、であれば涼しい朝や夕方の時間帯であれば比較的暖かいお昼頃に優先してお散歩に出してあげます。

元気のある子でも暑い時間帯にお散歩する場合には、日陰を通ったり帰ったらお水を飲ませるなど、体調を崩さないように気を付ける必要があります。

その他にも拾い食いをしてしまう子や他の犬が苦手な子など、1匹1匹に特徴があるので、散歩に行く前に注意点を確認してから行くようにしましょう。

犬の飼育経験がある人じゃないとできないの?

必ずというわけではないと思いますが、飼育経験のある人の方が望ましいです。

ある程度犬の扱いをわかっていないと、犬にけがをさせてしまったり、事故を起こしてしまったりということにつながるからです。

また、保護施設での犬の散歩には、犬たちのストレス解消などの他に、人に慣れさせる、お散歩の練習、といった目的もあります。

やはり人懐っこかったり、上手にお散歩ができる飼いやすい子の方が里親さんが見つかりやすいです。少しでもたくさんの子が自分だけのおうちに行けるようにサポートするのもお散歩ボランティアの仕事なので、きちんと犬をリードしてしつけていくことも大切なのです。

ボランティアをする上での心構え

ボランティアは適当な気持ちでやるべきではないと私は思っています。

どうしてもボランティアというとタダで手伝ってあげているという気持ちを持ってしまうかもしれませんが、それは違います。

私はボランティアとは自分がしたくてすることだと思っています。

手伝ってあげているのだから適当でいい
自分のやりたいときだけやる

というのでは正直施設の方にも迷惑です。やるからには自分の行いに責任を持ち、気分によって参加したりしなかったりすることのないようにしましょう。

無理をしない

ボランティアをする上でとても重要なのは無理をしないことです。

やり始めは何かしたいという気持ちが高ぶっている時期なので、自分の時間、お金を削ってたくさんお手伝いをしたいと思うかもしれませんが、一度、今後も無理なく継続できるのかをよく考えてください。

基本的にどのボランティアも継続することがとても重要です。現に私の行っている施設では継続的に活動できることを募集の要件にしています。

私が3年間無理なく続けていけているのは、交通費などの金銭的負担、プライベートとの折り合い、体力的負担などをふまえた上で通うペースを決めたからだと思っています。

この先ずっと続けていくうえで、どのペースなら自分に負担が少ないのかを、よく考えてから始めることが大切です。

参加する施設(団体)の意向に賛同できるか

実際にボランティアに参加するうえでもう一つ重要なのは、団体の方針に自分も納得しているか、です。

例えば私が通っている施設では、犬猫を里親さんに譲渡するときに家族構成や動物に対する意識などを厳しくチェックしています。それは一度傷ついた子たちが二度と辛い思いをしないように、本当に幸せにしてくれる人だけに譲渡したいからです。

私はその考えに賛同していますが、少しでも多くの子に家族を見つけてあげるということだけを考えるなら、そこまで厳しくチェックする必要はないと思う人もいるでしょう。

それはどちらかが間違っているということではなく、考え方の違いです。

このような活動は同じ思いを持った人たちが一緒につくっていくものなので、自分とは考えが違うと思うのであれば、他の団体を探したほうがいいと思います。

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ボランティアをやっていてよかったこと、つらいこと

楽しいこと、よかったこと

私は犬が大好きなので、たくさんの犬たちとふれあえることがとても楽しいです。みんなお散歩を楽しみにしてくれているので、お散歩中の嬉しそうな姿をみるとこっちまで嬉しくなります。

また、その子その子に個性があり、最初は警戒して近づいてくれなかった子と徐々に仲良くなれたときには本当に幸せを感じます。

たくさんの種類の犬とふれあうことで犬に対する知識も増えていきますし、犬の扱いや散歩のスキルが上達していくのも嬉しいです。

あと単純に運動不足解消にもなるので助かっています(笑)

大変なこと、つらいこと

私自身活動の中で特に大変だと思うことはないのですが、しいて言えば施設に通うのが大変です。バスで片道1時間半以上かかるので、移動の時間がもったいないな~とは思いますね。

辛いことはやっぱりお世話をしていた子が亡くなってしまうことです。

私が通っている施設では、殺処分されそうな犬猫を保健所からレスキューしているので、どうしても老犬や体調の良くない子が多くなります。そういった子たちは正直里親さんが見つかりにくいので、施設で一生を終える子もたくさんいます。

そういった子をみると

人間のせいで辛い思いをさせてごめんね
里親さんを見つけてあげられなくてごめんね

という思いで胸が苦しくなります。

私がボランティアを続ける理由

私が保護犬の散歩ボランティアをしていることを伝えると

「よくやってるね」
「大変なのにどうしてやっているの?」

と言われることがあります。

確かに先ほども言ったように、往復の移動時間だけでも3時間交通費も往復2000円かかることだけ考えたらよくやってるなと思われるかもしれません。

ですが自分がやりたくてやってるので全然苦じゃないんですよね。
むしろ逆に行くたびに癒してもらってます(笑)

あともう一つ言われるのが

「死んじゃったりしたら悲しいから私は無理~」

というやつですね。確かに動物が好きな人であればそう思うと思います。私も実際めちゃくちゃ悲しくてつらいですし。

でもだからやらないっていうのは結局、犬猫のために何かしたいという気持ちより、自分の感情を優先しているってことだと思うんですよね。

もちろんそれが悪いということではないのですが、私は自分が行くことで少しでも施設にいる子たちに楽しい時間、幸せな時間を提供できているのであれば、自分の感情よりそっちの方が断然価値があると思っています。

実際保護施設にいる子たちにとっては、散歩に連れて行ってもらうこと、遊んでもらうことというのは私たちが思っている以上に大切なことなんですよね。

私は人間な身勝手で翻弄された子たちの残りの犬生を少しでも楽しいものにしてあげたいと思っているので、これからもお散歩ボラを続けていきます。

まとめ

保護犬の里親になれなくても、ボランティアとして散歩のお手伝いをすることで、飼い主を探している子たちの幸せを増やしてあげることはできます。

正直どこの団体も人手不足なので、やってみたいと思っている方はネットなどで保護団体を探してみるといいと思います。

「保護犬 ボランティア ○○(地域の名前)」とかで検索するとボランティアを募集している団体がヒットするはずです。

もし、近くに保護団体がなくてお散歩ボラをするのが難しそうでも、団体に寄付をしたり、保護犬のことを知ってもらう活動に参加するなど保護犬・猫たちのためにできることは他にもたくさんあります。

もし、何かしたいという思いがあるのであれば、是非行動してみてほしいです。

今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいです(*^^*)

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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