サマータイムとは?日本に導入した時の影響もわかりやすく解説します!

先日テレビを観ていたら

“政府・与党は、2020年(平成32年)の東京五輪・パラリンピックの酷暑対策として、夏の時間を2時間繰り上げるサマータイム(夏時間)導入に向け、本格検討に入った。平成31、32年の限定導入となる可能性が大きいと複数の政府・与党関係者が明らかにした。”

というニュースがやっていましたが、

「ふ~ん、それでサマータイムって・・・なんだっけ?

と実は詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?
はい、私もその一人です(笑)

もし本当に実現するなら一応知ってないとヤバイ!と思い、サマータイムについていろいろ調べてみました。

今回はサマータイムの仕組みメリットデメリット、日本に導入することによっておこる影響などをできるだけわかりやすく紹介していきたいと思います。

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目次

サマータイムとは意図的に時間を進める制度のこと!

サマータイム(夏時間)とは現在ヨーロッパやアメリカなどで導入されている制度で、日の出時刻が早まる時期(3月~11月)にわざと時計の針を1時間進めることで、朝の時間を1時間前倒しし、太陽の出ている時間を有効活用することを目的としています。

風鈴

夏になると日照時間が長くなる高緯度の地域(夜になっても太陽が沈まない”白夜”とか学校で習いましたよね!)で多く導入されています。

アメリカでは「サマータイム」ではなく、「デイライト・セービング(Daylight Saving Time(DST) 」と呼ばれています。

サマータイムに切り替わるとどうなる?

サマータイムに切り替わったとたん、本来より1時間早い時間を正しい時間として行動することになります。

時計

つまり、本当は午前10時だけどサマータイムになったら午前11時として扱うということですね。

サマータイム期間中はいつもより1時間早い時間軸で動くことになります。

そしてサマータイム期間が終わると、時間を1時間遅らせて本来の時間に戻すことになるのです。

いつ、どうやって行うの?

時計の針を1時間進めると言っても、個人個人がそれぞれ好きな時間に時計をいじっていては、社会が混乱してしまいますよね。

サマータイムを始める日時はその地域によって違いますが、ヨーロッパでは3月の最終日曜日(2018年だと3月25日)の夜中時計の針を1時間進める(早める)ことになっています。
夜中に行うのは活動している人が少ないためですね。

寝ている間に時計の針が1時間進むとどうなるかというと、次の日の朝起きる時間が1時間早くなるということです!

早起き

例えば夜11時に寝て朝の7時に起きる場合、寝ている間に1時間スキップしてしまう(00:59からいきなり2:00になる)ので、本来の6時に起きなくてはならなくなるということです。(時間としては7時)

なんか損した気分!(笑)

多くの人は寝る前に時計の針を調整してから寝るそうです。そうしないと次の日から“1時間遅れた時計”になってしまいますからね。

そしてサマータイム期間が終了する10月の最終日曜日(2018年だと10月28日)の夜中時計の針を1時間戻す(遅らせる)のです。

寝ている間に1時間プラスされる感じになるので、1時間長く寝ていられることになります。

今度は得した気分!(笑)

このようにサマータイムの始まりと終わりの切り替えの2日のみ、1時間減ったり増えたりするということですね。

サマータイムを導入している国

ヨーロッパ各国(アイスランド、ロシア、ベラルーシを除く)

カナダ(一部除く)

アメリカ合衆国(一部除く)

メキシコ(一部除く)

オーストラリア(南東部のみ)

ニュージーランド(一部除く)

ブラジル(南部のみ)

チリ(南端部を除く)など

現在、国連加盟国193カ国のうちサマータイムを実施しているのは、全加盟国の約1/3の60カ国と意外に多いんですね。
実地しても廃止したりまた再開したり、と国によっていろいろあるみたいです。

ちなみに日本でも戦後1948年から1951年の間だけ、占領軍の指示でサマータイムを導入したことがあります。わずか3年で廃止されたわけですが、理由は後程説明します。

また、サマータイムを導入している国でも、国内の全ての地域でサマータイムを実施しているわけではありません。

州によって実地するかを決めていたりするので、サマータイム期間中は隣の州と1時間ずれているということもあります。
なんかそれって色々大変な気がしますが・・・(´・ω・`)

メリット

  • 明るい時間の有効に使える
    照明代の節約
  • 学校や仕事後の明るい時間が増える
    プライベートの充実
    経済の活性化
  • 起きている間の暗い時間が減る
    犯罪発生率の低下

こんなところでしょうか?夏の期間は朝の5時とかでも結構明るいですよね。

活動するには十分の明るさがあるので朝照明器具をつける必要がなくなりますし、仕事や学校が終わる時間も1時間早まるので、照明が必要となる前に帰宅することができます。

もちろん天気にもよりますが、確かに太陽の光を有効活用することはできそうです。

また、まだ明るい時間に帰れれば、買い物したり遊びに行ったりする気にもなりますよね。
それによって経済が活性化する可能性があります。

買い物

犯罪率に関しては1時間でそんなに変わるかなという気がしますが(笑)、活動するのが明るい時間帯になるのでその分多少危険は減りそうです。

デメリット

  • システム会社や時計屋などが大変
  • 慣れないうちは混乱が起きる
  • サマータイムを導入していない国とのトラブルが起こる可能性も

まず第一に、時間に関わる仕事をしている方たちはシステムを組みなおしたり、時計の針を調整したりなどの作業が大変なだけではなく、それにかかるコストも膨大になります。

エンジニア

また、サマータイムという認識が根付いていればいいですが、あまり浸透していないなか導入しても混乱が起こるのは必須です。

また、他国からサマータイムを導入している国として認知されていなければ、他国の企業とのトラブルが起こることも考えられるのです。

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日本に導入したらどんな影響があるの?

実際に日本にもサマータイムを導入するとしたら、まず先ほど挙げたデメリットの影響をモロに受けることになりますね。SEさんたちは大変です。

しかも政府が考案しているのは平成31、32年の2年間の期間限定導入で、繰り上げ時間も2時間と大きいです。

期間限定ということはまた元に戻さなくてはならないわけですし、システムやその他制度なども2年間のみということを念頭に置いて決めなければなりません。

正直言ってめんどくさい。(笑)

導入するなら継続する方がいいような気がします。

<追記>

2018年8月8日の報道では、

”当初は19、20年の2年に限る案もあったが、五輪を契機に恒久的に夏時間を運用する方針であることがわかった”

となっていたので、導入後そのまま継続するという方向で検討しているようですね。

また、1時間ならまだしも2時間って結構大きいですよね。

先ほど紹介したように、切り替えの日は時間がなくなったり増えたりするわけですから、寝るの大好きな私からすれば

睡眠時間が2時間も減るなんて!

という感じです。(その分早く寝ればいいだけですが(笑))

慣れるまでも大変ですよね。

一説によると体内時計が順応するのに3週間程度かかるようですし、睡眠障害が起こる可能性もあります。

日本は南北に長いから不適?

先ほど「以前日本でもサマータイムを導入したが、わずか3年ほどで廃止になった」と紹介しました。

廃止になった大きな理由として日本の国土の長さが関係しています。

日本地図

日本は南北に長く、例えば北海道の中心部札幌の緯度は北緯43度ですが、沖縄県那覇市は北緯26度です。

このように同じ日本でも緯度にかなりの違いがあるので、その分日照時間にも違いが出ることから、サマータイムの適用は不適とされました。

ヨーロッパの緯度に近い東北・北海道は日の出の時間も早いことから、導入のメリットは大きいと考えられますが、西日本は夏と冬の昼の時間に差が少ないうえに、夜も蒸し暑いですし、エアコンの消費量の面からみてもあまりメリットがなかったようです。

メキシコブラジルなど、緯度が30度以下の低緯度に首都(主要都市)があって、サマータイムを実施している国もあるので、導入自体が無理なわけではなさそうですが・・・。

アジア諸国ではサマータイムを導入していない

日本でのサマータイムが根付かなかったもう一つの理由は、アジア諸国でサマータイムを導入していないため、不均衡が埋まらなかったということがあげられます。

お隣の韓国、中国などはサマータイムを導入していません。

仕事や観光など関わりが深くなるアジア地域との均衡を保つためにも、サマータイムがない方がよいと判断されたようですね。

ちなみに地理学上アジアとされるイスラエルやイランではサマータイムを導入していますが、あまりアジアという認識はありませんよね(^^;)

オリンピックの時期をずらすことはできないの?

サマータイムの導入を検討している理由としては、酷暑対策が一番大きいですよね。

確かに35度以上のなか外でスポーツをするなんて考えただけで倒れそうです。

少しでも涼しい時間に競技を行うために時間の調整を行おうとしているわけですが、「それだったら春や秋に時期をした方が手っ取り早いのでは?」と思った方も多いはず。

考える人

ですが、それは無理なようです。

なぜなら国際オリンピック委員会(IOC)では、立候補都市は夏季五輪開催日を7月15日~8月31日までの間に設定することを大前提としているからです。

IOCは欧米のテレビ局から支払われる巨額の放映権を収入の柱としているので、欧米で人気プロスポーツが開催されておらず、テレビ番組の編成に余裕のある7~8月に五輪の日程を組み込むことで収入を得るという仕組みを取っているのです。

つまり、夏に開催することを条件に立候補している以上、時期をずらすことができないということですね。

まとめ

サマータイムとは期間中、時間を意図的に進めることで、太陽の光の恩恵を最大限受けよう!とする制度です。

緯度の高いヨーロッパやアメリカなどでは導入されていますが、日本では現在導入されていません。

2020年に行われる東京オリンピックの猛暑対策のために、時間を2時間繰り上げるサマータイムを期間限定で導入することを政府は検討中ですが、まだ決定はされていません。

システム的な問題もありますし、日本やアジア諸国での認知度も低いことから導入は簡単ではなさそうです。

どちらにしろ、システムを組むSEさんたちのためにも早めに決定してくれるといいですね。

<追記>

2018年9月27日、サマータイムについて自民党の遠藤利明・東京五輪実施本部長が「20年の導入は難しい」との見通しを記者団に語ったとの報道がありました。

システム改修への負担や世論の反応を受け、政府・与党内で慎重論が広まっており、五輪にあわせた導入は見送られる方向で進んでいるようです。

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