元号変更で現在の天皇誕生日は祝日じゃなくなる?過去の経緯から考えてみた

来年2019年5月1日から新しい元号(年号)になることが正式決定しましたが(新元号は「令和」(れいわ)に決定しました)、改元によって私たちの生活に影響が出るものとして国民の祝日の変更がありますよね。

現在12月23日は天皇誕生日として祝日になっていますが、皇位継承により今後は現在の皇太子殿下のお誕生日2月23日が天皇誕生日として設定されます。

そうなると12月23日は平日になるのでしょうか?
それとも4月29日の昭和の日のように平成の日として新たな祝日となるのか・・・

気になったので調べてみました。

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目次

まだ決まっていない

現在の天皇誕生日12月23日を改元後どのような扱いにするかは、現在(2019年3月28日時点)まだ決まっていません。

政府は「平日とするのか、あるいは新たな国民の祝日とするのかについては、国民各層の幅広い議論が必要だと思う」としつつも、当面は祝日とせず平日にする見通しのようです。

私は昭和の日があるのだから当然平成の日として祝日になるとばっかり思っていたのですが、実はそうではないようです。

よくよく考えてみると昭和の前、大正天皇のお誕生日8月31日は祝日ではないですよね。また、明治天皇のお誕生日11月3日は祝日になっていますが、明治の日ではなく文化の日です。

このように改元のたびに前の天皇の誕生日を「○○(元号の名前)の日」として祝日にしているわけではないようです。

昭和の日設定の経緯

もともと昭和以前は、前天皇の崩御(天皇が亡くなること)の日を先帝祭として休日にしていたのですが、改正された現在の祝日法では休日となりません。

そのため、天皇の崩御日ではなく誕生日を活かして「昭和記念日」など昭和にちなんだ新祝日として存続させる案が当初から出ていたのですが、その案は見送られ、1989年(平成元年)以降の4月29日は「みどりの日」という名称の祝日に改められました。

なぜ「みどりの日」なのかと言うと、昭和天皇は植物に詳しく、自然をこよなく愛したことから『緑』にちなんだ名がふさわしいという主旨の意見が多数を占めたからであるとされています。

なぜみどりの日から昭和の日に?

みどりの日として設定された後も、昭和にちなんだ祝日を作りたいと考える人達が運動を続け、さらに多くの国民の要望を受けて、2005年に「国民の祝日に関する法律」の改正により2007年から4月29日を「昭和の日」とすることになりました。

祝日法で「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」と定められているように、戦争を経験した時代を思い出し、二度と過ちを繰り返すことのないようにという意味もこめて昭和の日と変更したのです。

そして5月3日の憲法記念日と5月5日のこどもの日に挟まれていたことで国民の休日となっていた5月4日にみどりの日を移動させ、5月4日を正式な祝日としました。

※祝日と祝日に挟まれた平日は休日になる(国民の祝日に関する法律第3条)

ゴールデンウイークも関係している?

皇位の継承があった(平成になった)後も昭和天皇のお誕生日が祝日として残っている理由として、4月29日がゴールデンウイーク期間であったこともあげられます。

大型連休の一角を構成する4月29日の祝日を廃止することによる国民生活への影響を考慮し、4月29日を祝日として存続させたのです。

文化の日設定の経緯

私も知らなかったのですが、実は11月3日は明治天皇のお誕生日なんですね。

それがなぜ文化の日という名称になったかというと敗戦の歴史が関係してきます。

もともと明治時代には11月3日は「天長節(天皇誕生日のこと)」という祝日だったのですが、天皇が崩御された後、国民が「近代日本の礎を築いた明治天皇の功績を後世に伝えていくために11月3日を祝日にしてほしい」と運動をおこしたことで、昭和2年に「明治節」という名前の祝日になりました。

しかし敗戦後の昭和22年、日本の弱体化を狙い天皇や神道に関わるものを徹底的に排除しようとしていたGHQ明治節を廃止されます。

ですが、「明治節」はどうしても残しておきたいという意図が日本政府にあったため、日本国憲法の公布を意図的に11月3日にして、それを祝日にしたと言われています。

ちなみに初めは憲法記念日という名称にしようとしたそうですがGHQに強く反対されたため、現在の「文化の日」という名称になりました。

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平成の日が制定されるかどうか

現在祝日として制定されていない大正も含めて考えてみると、皇位の継承があったあとも天皇誕生日が祝日として存続するかどうかは

  1. 祝日が廃止されることで国民生活に影響を与えるか
  2. 後世に伝えていきたい出来事があった時代であったか

以上の2点が考慮されるのではと思います。

1に関しては、12月23日はクリスマスシーズンですし、年末商戦などに影響がないとは言えませんが、ゴールデンウイークのような連休ではないため正直微妙なところです。

しかし2に関しては、東日本大震災など大きな災害を経験して復興に努力してきた経緯戦争をせず平和を目指し実現してきた時代として伝えていくべき、という点からみて祝日を存続させるに価するのではと私は思います。

まとめ

現在の天皇誕生日12月23日が改元後も祝日として存続していくかはまだわかりません。

ただ、一つの時代を思い出す日として祝日を残す意味はあるのではないかと思います。単純に祝日が増えた方が国民はうれしいですし(笑)

そんな国民の感情も大いに考慮して決めてもらえればいいですね。

こちらの記事も合わせてどうぞ♪

>>元号変更のタイミングってどうやって決めるの?改元で10連休になるってほんと?

>>平成に比べて昭和が倍以上長いのはなぜ?元号改正について考えてみる

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