2016年8月8日天皇陛下が
「次第に進む身体の衰えを考慮する時、全身全霊で象徴の務めを果たしていくことが難しくなるのではないかと案じている」
と表明されたことを受け、江戸時代の光格天皇以来の生前退位が行われます。
皇位の継承により元号が改正されるのですが、そのタイミングってどうやって決めるのでしょうか?
今までは天皇の崩御(亡くなること)によって改元が行われてきたので、時間的な余裕があまりなかったと思いますが、今回は事前に日程を調整し、一番良いとされる日に執り行うことができます。
それを踏まえたうえで元号を変更するタイミングについて考えていきたいと思います。
**2019年4月1日11時40分頃、新元号は令和(れいわ)と発表されました。**
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目次
元号改正は2019年5月1日
皇室会議で2019年5月1日に元号を改正することが決まったと、2017年12月1日に新聞各紙から報道がありました。
2019年4月30日に現在の天皇陛下が退位され、5月1日に現在の皇太子殿下が新天皇として即位されますので、この日から新元号の時代となります。
でもこの5月1日ってなんか半端な気もしますよね?
どうせなら年が替わる1月1日とか新年度が始まる4月1日とか・・・。どちらも案としてはあったのですが、それぞれ却下されました。
1月1日がダメな理由
官公庁や民間のシステム改修など、国民生活への影響が少なくて済む1月1日を政府は最初提案していたようです。
しかし、年末年始には陛下が重視する宮中行事が相次ぎ、19年1月7日には昭和天皇逝去30年の式年祭もあるため、宮内庁は難色を示していました。
そのため首相官邸はその後、「宮中行事に配慮して欲しいという宮内庁の希望を受け入れた方がいい」と判断し、この案はなしになりました。
確かに主役である天皇陛下の事情やお気持ちを重視するべきというのには納得できますね。
4月1日がダメな理由
1月1日がダメなら新年度が始まる4月1日は、という声も出ていたのですが、4月前半は全国的に人の移動も激しく、各種行事も行われることが考慮されました。
また、4月は統一地方選挙が実施される見込みであり、政府や関係機関が忙しくなる時期と重なっています。選挙準備や予算審議が執り行われるなかで退位準備をするのは人員的にも難しいと判断されたのかもしれません。
1月1日の理由よりはちょっと政治の都合が優先されているような気がしなくもないですが、国民も忙しいなか慌ただしく行うよりは、余裕のある時期にゆとりをもって行った方がよいというのは一理ある気がします。
なぜ5月1日?
上記2つの区切りのよい時期がダメな理由はわかりました。
ではなぜ5月1日なのか。それにはいくつかの理由があります。
まず5月1日はゴールデンウイーク期間中ということもあり、国民としても一息ついた余裕のある時期であること。
そして大きな理由として考えられるのは、4月29日が昭和天皇のお誕生日だということです。
「4月29日の『昭和の日』に続いて退位と即位を実現することで、改めてわが国の営みを振り返り、決意を新たにすることができる」と政府が強調した通り、記念日が3日続き祝賀ムードが盛り上がることが予測されます。
また、この時期の退位であれば、陛下が重視されている2019年1月7日に行われる昭和天皇逝去30年の式年祭にも天皇として臨むことができます。
このような理由から5月1日の改元がベストと判断されたのではないでしょうか。
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昭和から平成のときは
今から約30年前、昭和から平成へと元号が替わったときは昭和天皇の崩御によって皇位継承が行われました。
そのため崩御された1月7日に新元号の発表、翌日1月8日から平成の始まりと、とても慌ただしく改元が行われました。
当時私はまだ生まれていなかったので実際体験したわけではないのですが、とても重苦しい雰囲気のなか発表がされたと聞いたことがあります。崩御なので当たり前ですね。
ですが今回は違います。安倍総理大臣が「天皇陛下のご退位、皇太子殿下のご即位が国民の皆さまの祝福のなかで、つつがなく行われるよう全力を尽くしていく」と決意したように、祝賀ムードでの改元が予想されます。
お祝いムードのなか新しい元号を迎え入れることができるというのは幸せなことかもしれません。
2019年のゴールデンウイークは10連休の可能性も!?
政府は、2019年4月31日の天皇陛下の譲位に伴い、皇太子さまが即位され、改元される5月1日を「祝日」か「休日」にする方針だそうです。
祝日法に基づき「祝日」とした場合は前日と翌日も休みとなり、(祝日に挟まれた平日は休みになる)4月27日から5月6日まで10連休となります。
参考記事:2018年、祝日が土曜日とかぶるのは何日?土曜に振替休日がない理由
「休日」ならば前後は平日のままで飛び石連休となるため、10連休にできないかも含めて検討中です。これは、土日祝日休みの私としては是非とも祝日にしてほしいところです!!
4月27日(土)
4月28日(日)
4月29日(月)昭和の日
4月30日(火)?
5月01日(水)改元記念日
5月02日(木)?
5月03日(金)憲法記念日
5月04日(土)みどりの日
5月05日(日)こどもの日
5月06日(月)振替休日
《追記》
2018年6月26日、政府は皇太子さまが新天皇に即位される2019年5月1日を同年に限り祝日にする方向で最終調整に入ったようです。
祝日化のための特例法案を早ければ秋の臨時国会に提出する予定。
《追記》
2018年10月12日、安倍首相は新天皇の即位日となる2019年5月1日をその年限り祝日とする方針を表明しました。
《追記》
2018年11月13日「2019年5月1日」を祝日とする法案が閣議決定されました。
つまり10連休確定です(*´ω`*)★☆
新元号の発表はいつ?
2018年4月現在、新元号の発表時期は未定です。
今年中には発表される見通しですが、あまり早すぎると盛り上がりにかけるという意見も出ているそうで・・・いやいや、それはおかしいだろって感じですが(笑)
カレンダー会社や各システム担当者からすれば早めに発表してもらえないと困りますよね。
《追記》
政府は2018年5月17日、2019年5月1日の新天皇即位に伴う新元号の公表時期について、同日の改元の1カ月前と想定して準備を始める方針を決めたそうです。
つまり4月1日ということでしょうか?
政府は新元号発表を改元の1カ月前と想定することについて「システム改修などを円滑に進めるための作業上の便宜」と説明しているそうですが、わりとギリギリでは?(笑)
《追記》
2019年1月1日、安倍首相が新元号について4月1日に閣議決定し、同日中に公表する方針を固めたとの報道がありました。
首相は当初、4月10日に天皇陛下ご在位30年の「お祝いと感謝の集い」を開くことから、4月11日に新元号を公表する方向で検討を進めてきたそうですが、米マイクロソフト社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の更新が間に合わず、企業の決算作業が混乱しかねないことが判明。
また、年金や失業手当の給付に支障をきたす恐れもあるため、4月1日に前倒しして公表することにしたそうです。
《追記》
2019年4月1日11時40分頃、新元号は令和(れいわ)との発表がありました。
令和という言葉は日本の『万葉集』の梅花の歌の序文、
「初春の令月にして 気淑く風和ぎ 梅は鏡前の粉を披き 蘭は珮後の香を薫らす」
という一節から取られたものだそうです。
「厳しい寒さの後に見事に咲き誇る梅の花のように、1人1人の日本人が明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる日本でありたい」
との願いが込められています。
まとめ
今回の元号改正は5月1日行われますが、様々な事情を考慮したうえでの決定だということがわかりました。
江戸時代以来の生前退位ということでもちろん経験者もいませんし、以前の形式等を参考にしようにも時代背景が違いすぎます。
今後を見越して法律を改正する必要もでてくるかもしれませんし、まさに新しいことだらけです。
正式発表が遅くやきもきする部分もありますが、おめでたい雰囲気で新しい元号を迎えられることに感謝し、気長に待ちましょう!
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