ブッシュドノエルの意味を知ればクリスマスはもっとロマンチックに!

日本でクリスマスケーキと言えばホールのショートケーキが定番ですが、最近では丸太のような形をしたブッシュドノエルも人気ですよね。

クリスマスの本場ヨーロッパではよく見られるケーキなのですが、実はこのブッシュドノエル、クリスマスに食べることにちゃんとした意味があるって知っていましたか?

今回はブッシュドノエルの意味や由来を紹介していきたいと思います。

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目次

ブッシュドノエルとは

ブッシュドノエルはフランス語で「ブッシュ」が薪、木、丸太「ノエル」がクリスマスを表しているので、直訳すると「クリスマスの薪」という意味になります。

本来はビシュとビュシュの間の音で発音するビュッシュドノエルと言うみたいですね。

名前のとおりブッシュドノエルは薪や丸太の形に見立てて作られていて、輪切りにしていない長いままのロールケーキのような形をしています。

表面はココアクリームやチョコレートで覆われていて、そこにフォークなどで木の表面のような波形を描いています。

木の枝にみせるようなチョコレートや、粉雪に見せた粉砂糖などがデコレーションされているものもあります。

ブッシュドノエル

ブッシュドノエルの由来

ブッシュドノエルは、19世紀後半のパリで作られたのが始まりとされていますが、その由来は諸説あります。

キリスト祝福説

一番有力とされているのが、クリスマスの夜にキリストが生まれた事を祝い、薪を夜通し燃やし続けたことに由来するという説です。

クリスマスのミサが終わると、家族揃って暖炉を囲み、薪を燃やし続けている間に、食事をしたり歌を歌ったりしていました。

行く年の薪をくべることは、変わることのない再生の象徴で、クリスマスに薪を燃やすことは、祝福の儀式だったのです。

その祝福の儀式に欠かせない薪をかたどったブッシュドノエルが、クリスマスの食卓に並べられ食べられるのは、自然なことだったんですね。

厄除け説

年末に薪を燃やすことで、来年の厄除けをしていたという伝統に由来するという説です。

日本ではお正月におせち料理を食べてその年の幸せを願ったりしますが、やはりどこの地域にも年末年始にはそういった伝統があるのですね。

燃やし方も地域によって少し違うようなのですが、クリスマスの薪はとにかく燃やし続けることが大切だとされている地域もありました。

そこでは一本の薪を12月24日~1月1日までずっと燃やし続けます。

薪を燃やし続けた結果、灰がたくさんできれば新年は豊作だといわれており、灰はその年1年の厄除けになると考えられていました。

つまり薪は来年の健康や豊作を祝う縁起物でもあったわけです。

そのためケーキも縁起のいいものにしようということで、薪のデザインが取られたと考えられているのです。

北欧神話説

樫という木の薪を暖炉で燃やすと、一年中災いや病気を避けることができるという神話からきたとされる説です。

北欧ではクリスマスのことを「ユール」と呼び、もともとはケルト人やゲルマン人が冬至の祝いとして行っていたお祭りでした。

このユールでは、ユールログ」と呼ばれる大きな木の幹を薪にして、クリスマスの日から12日間燃やし続けます。

ユールログ

燃えている間は、一族が悪魔から守られると考えれられていました。

このユールログが後にヨーロッパ各地に広がり、燃やされる木の幹が、ブッシュドノエルのケーキとして今も残っているとされているのです。

クリスマスプレゼント説

貧しい青年が恋人に薪をクリスマスプレゼントとして送ったことからきた説です。

青年は貧しかったため、恋人にクリスマスプレゼントを買ってあげることが出来なかったのですが、せめてもの気持ちで薪をプレゼントしたのです。

そのプレゼントの薪をかたどったブッシュドノエルはなんだか少しロマンチックですね。

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シュトーレン

最近ブッシュドノエルと同じくよく目にするようになったのは、ドイツの伝統的なケーキ、シュトーレンです。

シュトーレン

正しくはシュトレン(Stollen)と言うそうで、ドイツ語で「坑道(地下に作られる通路)」「柱」などを意味します。

洋酒に漬け込んだドライフルーツやナッツが生地に練りこまれており、表面にはたっぷりの砂糖がまぶされている菓子パンです。

このシュトーレンというお菓子は「クリスマスの贈り物」として、誕生当初から司教様に献上されていました。

仕上げに表面に砂糖をまぶすことで、布にくるまれた幼子イエスのように見えることから、司教様に送る献上物としてふさわしいとされていたのだそうです。

シュトーレン

食べ方

シュトーレンは焼立てをすぐに食べるものではなく、キリスト教で「アドヴェント」と呼ばれる、クリスマスイブの4週間前~クリスマスイブ当日までの期間に食べるのが、本場ドイツの正統派の食べ方です。

薄くスライスしながら少しずつ食べていくのですが、日がたつにつれラム酒やフルーツの香りが馴染み、どんどん味が変わってくるのだそう。

シュトーレン

端からではなく、まず真ん中を切ってから、外側にスライスしていくのがポイントです。

その日に食べる分をスライスし終えたら、切った2つのシュトーレンの切り口をぴったり合わせて、ラップで空気が入らないようきっちり巻いて保存します。

そうすることで空気に触れる部分が減り、長く美味しく食べられるのですね。

パネトーネ

ブッシュドノエルやシュトーレンより知名度はないですが、最近徐々に日本でも見かけるようになったのがパネトーネです。

パネトーネ

パネトーネはイタリアのミラノが発祥の地とされている菓子パンで、数百年にわたって受け継がれてきた伝統的な発酵菓子です。

卵黄とバターをたっぷり使って熟成発酵させた柔らかな生地に、レーズン、オレンジピールなどのドライフルーツを混ぜ合わせてドーム型に焼き上げたもので、ホールケーキ並の大きなものもあれば、マフィンのように小さいものもあります。

パネが「パン」、トーネが「大きい」をあらわしており、そのまんま「大きいパン」という意味なのですが、他に「トニーのパン(イタリア語でパーネ ディ トーニ)」がなまったとされる説もあります。

トーネとはトニーというお菓子屋の職人のことで、トニーには年頃の娘がいました。

娘に結婚を申し込んできた良家の青年がいたのですが、青年の親は貧しい菓子屋の娘との結婚を認めてくれません。

その時青年が、クリスマスの前に自分が猟に使っていた鷹を売って、そのお金でトニーに最上の小麦粉や卵、バター、そしてその頃はあまり使われていなかった干しぶどうとレモンを買って最高のクリスマスケーキを作らせました。

パネトーネ

このケーキが大ヒットし、トニーは貧乏ではなくなったので、めでたく青年とトニーの娘は結婚できることになったのです。

そのときのクリスマスケーキ(トニーのパン)に由来するというロマンチックなお話です。

食べ方

シュトーレンと同じくアドヴェントからクリスマス当日にかけて食べていきます。

アドヴェント中に各家庭でパネトーネを焼いて、それを親族や友人に配る習慣があるのだとか。

大きさによって半分に切ったり、8等分したり、そのままちぎって食べたりします。

シュトーレンと同じくクリスマスまでの間に少しずつ食べていくものなのですが、パネトーネはどんどん乾燥していく傾向にあるので、実際には数日~2周間程度で食べきってしまってまた新たにパネトーネを買ってくることが多いようです。

まとめ

ブッシュドノエルにあんな色々な意味があったとは驚きでした。

クリスマスの日にブッシュドノエルを食べることは、キリストが生まれたことを祝うと同時に、厄除けや健康への願いも込められているのですね。

恋人へのプレゼントというのもロマンチックです。

シュトーレンやパネトーネもそれぞれの意味を知って食べるとまた味が違って感じるかもしれません。

今年のクリスマスケーキはブッシュドノエルにしようかな・・・(*´ω`*)

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>>クリスマスにプレゼントをあげる意味ってあるの?昔と今の違いとは!

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