クリスマスプレゼントと言えば、
“サンタクロースが1年良い子にしていた子どもにご褒美としてあげるもの”
というのが一般的ですよね。
ですが近年では大人でも恋人同士がプレゼントを贈り合ったり、親しい人へ感謝の意味を込めて贈ったりするのも当たり前になってきています。
プレゼントはもらうのもあげるもの楽しいものですが、でもそれってあえてクリスマスにする必要があるの?と思ったことがある方も多いはず。
そこで今回はクリスマスプレゼントの起源や歴史から、現在に至った経緯などについて調べてみました。
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目次
クリスマスプレゼントの起源
実はクリスマスプレゼントの始まりははっきりとわかっておらず、以下の3つが有力な説とされています。
古代ローマのお祭り「サトゥルナリア祭」説
まず一つ目は、古代ローマのお祭りであるサトゥルナリア祭(サトゥルヌス祭)が起源とする説です。
農耕の神サトゥルヌスは、ギリシャ神話において、神々の王たるゼウスの父クロノス(時の神)とされています。
そのクロノスは我が子に自分の地位を奪われるのを恐れて、生まれてくる子供を次々に飲み込んでしまいました。
しかし、妻であるレイアが石を赤ん坊だとだましてクロノスに飲み込ませたことで難を逃れた、末っ子であるゼウスにクロノスは倒されます。
クロノスは王の位についたゼウスによって封印されたのですが、一年のうち、12月17日から23日の一週間だけ開放されるとされており、それに合わせて、サトゥルヌス祭が行われます。
この時期はちょうど冬至の時期にあたり、長い冬が折り返し地点になる冬至に、冬のために蓄えた食料を使用してたっぷりごちそうを作ります。
そして、そのごちそうを隣近所で分けあい、残りの冬の期間を元気で乗り切ろうとしていました。
この時に、親しい人同士でろうそくや小さな人形を贈物として交換したのが、クリスマスプレゼントの発祥と言われています。
後にローマはキリスト教を国教と定めたのですが、その際、異教徒と対立することなくキリスト教を受け入れさせるためにこのサトゥルナリア祭をクリスマスとして慣習化させたとされています。
キリストへの贈り物から説
二つ目は、キリストが生まれたとき、東方の三賢人が、異国から贈り物を持ってやってきたことがクリスマスプレゼントの由来だとする説です。
カスパール、メルキオール、バルタザールというこの3人は占星術を研究していた人たちで、メルキオールは黄金を、バルタザールは乳香を、カスパールは没薬を持ってきました。
乳香は人々がイエスを崇拝すること、黄金はイエスが王であること、没薬はイエスが苦しみ死すことをそれぞれ意味していました。
この3人のギフトが、現代のギフトにつながっていると考えられています。
キリスト教では、「クリスマスそのものが神から与えられた贈り物なのだ」と考えています。
サンタクロースの前身セント・ニコラウス説
三つ目は今はサンタクロースと呼ばれているセント・ニコラウスという人が由来とする説です。
東ローマ帝国小アジアのシュラ(現在のトルコ)に実在したカトリック教会司教セント・ニコラウスは裕福なクリスチャンであり、自分でお金を一人で保持しているよりも貧しい人にお金を分け与えた方が良いと考えていました。
彼は貧困のため苦しむ娘たちの家に窓からこっそり金貨をこっそり投げ入れようとしたところ窓が開いていなかったので、煙突から家の中に金貨を落としました。
そしたらそれが丁度暖炉に干してあった靴下の中に入ったと言われており、これがクリスマスプレゼントの始まりだとされています。
サンタや煙突、靴下などのキーワードがでてきているので、この説が一番現代の風習に近いですね。
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今のような形式に至った経緯
実は他にも由来が・・・?
先ほど紹介した3つの説に加え、他にも北欧神話などに登場する空を駆ける神様など、クリスマスの元になったと思われる民間信仰はいくつかあり、語り継がれている内にミックスされて現在の形になったようです。
意外にも日本でも大晦日の夜に赤い服をきたおじいさんがよい子にプレゼントを配る、という信仰をもつ地域があったみたいですね。
日本で広まったのはいつ頃から?
また日本においてクリスマスプレゼントの習慣自体は明治時代に始まったといわれています。
当時、3万人を越えるといわれた貧しい人々に対し、救世軍(イギリスに本部を置き、世界各国で活動する国際的なキリスト教(プロテスタント)の団体)が果物やパン、おもちゃ、お菓子などを詰め合わせたものを手渡ししたのが始めだとされています。
これはアメリカのニューヨークなどでも行われていたチャリティーのように、貧しい人々への贈り物を大規模におこなうことを目的として行われていました。
その後、大正時代ごろになるとクリスマスにプレゼントを渡すといった習慣が一般人の間にもすっかり定着し、大人が子供にプレゼントをするといった現在のクリスマスプレゼントの習慣が根付いていきました。
クリスマスプレゼントは愛の贈り物
由来は諸説ありますが、クリスマスに贈り物をするという行為は
- 神がイエスという素晴らしいプレゼントを人々に与えたことを模倣する
- イエスに代わって人々へ与える
- イエスにプレゼントすることはできないかわりに誰かに贈る
といったような宗教的思想がもとになっています。
聖書ではクリスマスは「愛の日」となっているように、クリスマスプレゼントは愛を分け与えることを目的としているのです。
現代のクリスマスプレゼントの習慣は、このような宗教的思想や古来からの風習に商業目的が加わり、世界的なイベントとなりました。
現代では、キリスト教徒意外はクリスマスに宗教的意味を持っておらず、一種のお祭りとして楽しんでいます。
ですが、クリスマスプレゼントをあげる理由としては人を喜ばせたり、愛や感謝の気持ちを表したりするためと、根本的な部分は変わっていません。
クリスマスは日ごろの思いを伝える丁度良い機会として人々に定着しているのです。
現在のクリスマスプレゼントの風習
日本では、クリスマスといえば恋人同士の日といった感覚が強いですよね。
そのため大人が子供に贈る以外にも、恋人同士がプレゼントを贈り合うことが多いです。
クリスマスの本場であるアメリカやヨーロッパはどうなのか調べてみました。
アメリカ
家庭にもよりますが、アメリカで渡されるクリスマスプレゼントは複数の場合が多いです。
サンタさんからだったり、親からだったり、親戚だったり、パーティに招かれた人からだったりと様々です。
アメリカのクリスマスプレゼントは日本で言うところのお年玉にあたり、親戚付き合いがかなり多い家族であれば、何人からも貰うことがあるかもしれません。
しかし、そもそもクリスマスはキリスト教に関連する行事であるので、そうではない方であれば、アメリカでもクリスマスプレゼントは渡さないということもあるようです。
プレゼントは、手渡しをするに場合はクリスマスツリーの下、もしくは付近で行うようにしている傾向があります。
ヨーロッパ
ヨーロッパではクリスマスまでの約4週間を、イエス・キリストの降誕を待ちのぞむ期間(アドベント)としており、この期間にはツリーのオーナメントや食材が立ち並ぶ「クリスマスマーケット」が毎晩開催されます。
そしてヨーロッパでは12月24日、25日はほとんどのお店が休みになります。
家族との時間を大切にしてほしいということで、もちろん会社もお休みです。
自宅で料理を作り、家族みんなでクリスマスをお祝いするのが本場の過ごし方なんだそうです。
イタリアでは用意したクリスマスプレゼントをモミの木の下に置き、25日を待ちます。
クリスマスイヴには家族での夕食と、クリスマスの特別なお菓子を食べた後には、皆できちんと正装し、教会のミサに出席します。
聖歌や祈りと共に25日を迎え、キリストの降誕を祝い、翌朝にクリスマスツリーの下に置いてあったプレゼントを開けるのだそうです。
ドイツではイブの夜、パーティの後に年長者からプレゼントが配られるのが慣例のようです。
まとめ
クリスマスプレゼントの始まりは諸説ありますが、実りを分け与えたり、富を分け与えたりといった思いやりの気持ちがもとになっています。
キリスト教の宗教的意味が薄くなっている今も、人を喜ばせたり、感謝を表す意味を込めてプレゼントを贈り合っているのは昔と変わりありません。
プレゼントを考えるのがちょっとめんどくさいな~と思った時は、この由来を思い出し、相手のことを考えると良いものが選べそうですね。
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